せたがやパートナー 事業団だより74 令和2年1月15日発行 発行 世田谷区社会福祉事業団 〒154-0017 世田谷区世田谷1-23-2 電話 03-5450-8223 ホームページ https://www.setagayaj.or.jp/ 障害者差別解消法施行に伴い、広報紙パートナーでは文字情報をデジタル信号に変えることで、 視覚障害者などが音声でその情報を知ることができる音声コードを各ページに挿入しています。 音声コードを専用の活字文書読み上げ装置で読み取ると、掲載情報を音声で聞くことができます。 この冊子は、奇数ページは右下、偶数ページには左下に音声コードが挿入されています。 目次 1ページ 目次等 2ページ 事業団の認知症ケアの取り組みについて(デイ・ホーム) 3ページ せたがや福祉区民学会参加報告、お役立ち情報 4ページ 利用者紹介、お知らせ(講演会・ご寄附) ●特集 事業団の認知症ケアの取り組みについて(デイ・ホーム) 事業団のデイ・ホームでは、認知症ケアにおいて、 様々なプログラムを実施して認知症予防や症状改善に取り組んでいます。 今回は、事業団で認知症ケアとして実施している デュアルタスク運動(二重課題運動)と日本版BPSDケアプログラムをご紹介します。 <デュアルタスク運動(二重課題運動)> デュアルタスク運動は、二重課題運動とも呼ばれ、体を動かす運動と頭を使うことを同時に行うことで、 脳の血流が良くなり、認知機能を高める効果があります。 電話をしながらメモを取る、話をしながら歩くなど、日常生活は二重課題の連続です。 意識的に運動に取り入れることで認知症を予防します。 デイ・ホーム弦巻では、毎日1時間椅子に座って「健康体操」を行っています。 その中で、デュアルタスク運動を取り入れています。 例えば、数をカウントしながら足踏みをして3の倍数で手拍子をする、 歌を歌いながら手をグーパーするなど、一つひとつの動きは簡単ですが、運動の効果が期待できます。 集団で行うことで活気もでて、楽しく続けられます。 まさに継続は力なり!ですね。 <日本版BPSDケアプログラム> 認知症の方にどう向き合っていくのか。 デイ・ホーム上北沢では、日本版BPSDケアプログラムの取り組みを平成30年度から始めています。 日本版BPSDケアプログラムでは、認知症の方々の行動・心理症状をメッセージとして捉え、 @行動の頻度や重症度の観察・評価、A行動の背景にあるニーズの分析、Bニーズに沿ったケア計画の作成、 C計画に基づくケアの実行の4つのステップを繰り返しながら、症状の改善を図っていきます。 例えば、入浴のとき職員を叩いてしまう方がいました。 その方に穏やかに入浴していただくために、ケアプログラムで対応を検討し、ルール化しました。 ゆっくりと穏やかな声かけを続ける、シャワーを使わずかけ湯をして湯あたりを柔らかくする、 といった対応を実践しました。 今では叩くという行為は改善されています。認知症の症状改善は、利用者や家族、職員の願いです。 それに応えていくチームケア力を培っていく仕組みにもなっています。 ●せたがや福祉区民学会 第11回大会に参加しました 世田谷の福祉に関わる人たちが、さまざまな実践について議論し、学びあい、区民福祉の向上を目指す 「せたがや福祉区民学会 第11回大会」が12月7日(土)日本大学文理学部で開催されました。 今年のテーマ 「学びあい、広げよう せたがや福祉の輪『協働(みんな)でつくる住み続けたい世田谷(まち)』」 事業団からは、特別養護老人ホーム、訪問看護ステーション、あんしんすこやかセンター、 世田谷区福祉人材育成・研修センターの4つの事業所が、ケアのアプローチ方法、在宅医療、 在宅介護等についての実践発表を行いました。 会場には、福祉関係者をはじめ、福祉について学ぶ学生や、実際に福祉サービスを利用している方等、 たくさんの方が来場していました。発表者・参加者が相互に学びあい、 住み続けたくなる世田谷(まち)のあり方を考えることで、区民福祉の向上、 まちづくりの発展につながる大会になりました。 世田谷区社会福祉事業団は、今後もこのような機会を積極的に利用し、 区民や区内で福祉活動に携わっている方との活発な交流を進めてまいります。 ●お役立ち情報 嚥下(えんげ)と呼吸の関係 嚥下【飲み込み】するとき、私たちは0.5〜0.7秒呼吸を止めています。 しかし、呼吸が浅いと、その0.5秒も止めることができず、息を吸ってしまうことで食物が気管に入り、 誤嚥(ごえん)する原因にもなります。 そこで、深い呼吸をしやすくする方法の一つをご紹介します。 @腕を前に置き、手のひらを上にして息を吸う A息を吐きながら肘を背中の方に移動させる(肩甲骨を意識して行う) ※床に足をしっかりつけて背筋を伸ばしてください♪ 肺は、空気の出し入れで伸びたり縮んだりするように思われがちですが、 肺そのものに自動的に動く仕組みはなく、肺を収容している胸郭の容積が変化することで、 間接的に伸ばされたり、縮んだりしています。 特別養護老人ホーム 芦花ホーム 歯科衛生士 渡辺三恵子 ●利用者紹介 元気のみなもと デイ・ホーム弦巻 服部 公(きみ)様 15年間にわたりデイ・ホーム弦巻をご利用の服部様は、1月の誕生日で101歳を迎えられます。 熊本県のご出身で、地元では食堂の経営を、上京後は家事手伝い、大連(中国)で看護師をされてきました。 中国で作り方を教えてもらった餃子は、服部家の自慢料理の一つで、 今では娘さんからお孫さんへと受け継がれています。 得意の和歌でも、「中国で習い来し味 焼き餃子 今は娘に伝わる味に」と詠まれています。 普段の生活では、助け合いの心を持つこと、相手に優しく接することを心掛けていると話してくださいました。 取材の際も、常に笑顔で接していただきました。 元気の秘訣 ◇レクリエーションを楽しむこと 服部様の元気の秘訣は、デイ・ホーム弦巻でレクリエーションを楽しむことです。 体操とカードゲームが、特にお好きで、精力的に取り組まれています。 体操は自ら率先して参加し、いきいきと体を動かされます。 昔から朝夕の体操を一人で励んでこられました。 UNO(カードゲーム)が始まると、次第に勝負師の顔に変わり、集中モードに入られていました。 服部様の素早いカードさばきに、職員からも驚きの声が上がっていました。