P1 世田谷区社会福祉事業団だより せたがや パートナー 2024/1 No.93 令和6年1月22日発行 発行/世田谷区社会福祉事業団 編集/総務課 〒154-0017 世田谷区世田谷 1-23-2 電話 03-5450-8223(代) FAX 03-5450-8294 特集 特別養護老人ホーム あけましておめでとうございます 今年も世田谷区社会福祉事業団をよろしくお願い申し上げます 新年のご挨拶 理事長 板谷 雅光  昨年中は、事業団の運営に格別のご高配を賜り、心より御礼申し上げます。 現在、先に策定した「中長期経営計画」に基づき、経営改革を進めています。  新年度より世田谷1丁目に設置の本部を、芦花および上北沢ホームにその機能を移転します。また、各種サービスのエリア別での多機能型運営を図り、より身近に各サービスを複合して総合力をもった支援を目指すべく組織改正にも着手します。  長らく本部を置いた歴史ある代官屋敷前の地を去る寂しさはありますが、予断を許さない厳しい経営環境においても、地域の方々やご利用者への福祉サービスによる貢献を通じて地域社会に真に役立つ存在であり続けるため、職員一丸となり不断の経営基盤の強化を図ってまいります。  本年も引き続き、ご指導とご支援をお願い致します。 P2 特別養護老人ホーム 芦花ホーム  今回は、芦花ホームの特長でもある口腔ケアの取り組みについてご紹介します。 「食事がおいしくいただけること」「日常生活の潤い」に繋げるために、口腔機能維持の健口体操の実施や、医師・歯科医師の所見・指示のもと科学的根拠に基づいた食形態や摂取方法、嚥下訓練等をご利用者ごとに経口維持計画を立ててケアをしています。 口腔ケアの取り組み (1)嚥下内視鏡検査 協力:東京医科歯科大学摂食嚥下リハビリテーション学分野 昭和大学歯科病院口腔機能リハビリテーション科 実施頻度:毎月 対象者:飲み込みが悪くなった、声が出にくくなった、食事の際にずっと口をもぐもぐして飲み込めないといった症状の方、嚥下内視鏡検査による摂食嚥下の状態確認が必要な方 検査方法:@鼻腔から細いファイバースコープをのどに挿入 A実際に飲食物を食べてもらい、のどの動きの状況や、のどを食物が通過していく状況を直視下で観察記録 検査でわかること:@飲食物の残留状態 A誤嚥(飲食物が気管に入ってしまうこと)の可能性 Bのどに痰や唾液が溜まっているか など.. 検査症例@利用者Oさん ファイバースコープで飲み込み状況等を確認 食事形態:胃ろう 希  望:「鰻が食べたい!」 結  果:のどに残留はあったものの、鰻の蒲焼の介護食(歯ぐき、舌でつぶせるやわらかさで、見た目は常食と変わらず、美味しさを目でも楽しんでいただけるもの)を時々楽しんでいただけるようになりました! 検査症例A利用者Tさん 食事形態:ミキサー食 希  望:食事形態のステップアップ 結  果:飲み込み問題なし。極刻み食とお粥へステップアップ! (2)咳テスト クエン酸の霧を吸引し、咳が出るまでの秒数回数を確認 協力:東京医科歯科大学摂食嚥下リハビリテーション学分野 実施頻度:2回/年 対象者:全員 検査方法:@クエン酸の霧を60秒間吸引 A咳が何秒で出るか、何回出るか 検査でわかること:@むせない誤嚥(不顕性誤嚥)の可能性を判別 A誤嚥性肺炎回避の為、嚥下内視鏡検査に繋げることができる このような検査のみならず、芦花ホームでは、「いつまでも口から美味しく食べられること」を目標に、口腔機能維持の健口体操を毎日行っています。 特別養護老人ホーム 芦花ホーム 住所 世田谷区粕谷2-23-1 電話 03-5317-1094 P3 特別養護老人ホーム 上北沢ホーム  ご利用者が一人ひとり、その人らしく生きがいを持ち過ごせるよう、ケアプランに基づき入浴、排泄、食事などの介護、機能訓練、健康管理などの日常生活上のサービスを提供しています。  上北沢ホームでは、介護する側受ける側双方において安全で安心な「持ち上げない、抱え上げない、引きずらない」ケア、『ノーリフティングケア』に力を入れています。ご利用者の二次障害※の予防と、職員の身体的負担を軽減するため、身体の間違った使い方を無くし、ご利用者の状態に合わせて福祉用具を有効活用してまいります。 ※二次障害とは…身体が硬くなる拘縮や床ずれと呼ばれる褥瘡、内出血や筋力低下、精神的な緊張や不安感、認知機能の低下など、無理な介護が原因となって生じる身体面および精神面での症状 「ノーリフティングケア宣言」 ノーリフティングの研修の様子 移乗サポートロボット「Hug」を導入しています 介護する側受ける側それぞれ学びを深めています ショートステイ(短期入所生活介護)  在宅の介護を必要とされる方が、その人らしく自立した生活を継続して営むことができるよう、短期間の入所で日常生活上のサービスを提供しています。送迎は区内全域をカバーすると共に、セーフティネットの役割として、緊急利用や人工透析を必要とする利用者についても、積極的に受け入れを行っています。 芦花恒春園にお散歩へ 送迎は車椅子も可能で、区内全域をカバーしています   特別養護老人ホーム 上北沢ホーム 住所 世田谷区上北沢1-28-17 電話 03-3306-5155 P4 せたがや福祉区民学会 第15回大会に参加しました 世田谷区内の大学、福祉事業所、区民、行政が様々な実践活動の発表を通し、学びあい、区民福祉の向上を目指す「せたがや福祉区民学会」の第15回大会が、令和5年11月11日(土)に東京農業大学世田谷キャンパスで開催され、約500人が集いました。基調講演「障害者支援施設こころみ学園とそのワイン醸造場ココ・ファーム・ワイナリーの歩み〜あったもがんばん〜」に続き、49の口頭発表・12のポスター発表、学生実行委員によるワークショップが行われました。 今年のテーマ『“生きる”を支え未来につなぐ』 「もぐもぐチームの取り組み」 「にこりホッとエピソード」 事業団からは、7つの口頭発表、1つのポスター発表を行いました。 口頭 最期まで口から食べるための専門職グループ研究会「もぐもぐチーム」の取り組み 訪問看護課 特別養護老人ホーム芦花ホーム 訪問看護ステーション三軒茶屋 皮膚反応に着目して、体の動きを変える 訪問看護ステーション三軒茶屋 オンラインとオフラインを融合したフレイル予防の“新しいカタチ”で世田谷を変える シニア男性がいつまでも健康で輝き続けられる社会へ 訪問看護ステーション三軒茶屋 足漕ぎ車いすへの挑戦 −それぞれのニーズに応えるために− デイ・ホーム世田谷 三者連携によるスマホ講座の取り組み −スマホHELPチーム− 太子堂地域包括支援センター 65歳からの ハロー★ボランティア・ハロー★ワーク−地域とつながり、自分を役立てる仕組み作り実践報告− 上北沢地域包括支援センター 上祖師谷地域包括支援センター 介護職員による高度に変形した爪へのフットケアの実践 特別養護老人ホーム芦花ホーム ポスター ホームヘルパー「にこりホッとエピソード」−プラスの感情・笑顔がもたらす効果− 烏山ホームヘルプサービス 世田谷区社会福祉事業団は、今後もこのような機会を活用し、日頃の実践活動を積極的に発信していきます。 また、大会運営スタッフとして多くの職員が従事し、今後とも区民・関係者と活発な交流を深めてまいります。 ご寄附 上北沢ホーム家族会より、車椅子(3台)のご寄附をいただきました。  現在ケアで使用しているスライディングボードなどと組み合わせて使える、汎用性の高い車椅子です。 ノーリフティングケアに活用していきたいと思います。ありがとうございました。 当法人への寄附は、所得税等の税法上の優遇措置の適用がございます。 ご寄附のお申し出は下記の問い合わせ先、または各事業所までお願いいたします。 問い合わせ 経営企画課 経営企画係 電話 03-5450-8595